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沖縄の自然の恵みと、人のあたたかさがギュッと凝縮された「ON OFF YES NO」のフレッシュジュース。

2017.04.18 Discover Nippon セソコマサユキ & 新里南

92歳のおばぁちゃんがふらりとやってきて、コールドプレスジュースを買っていく。そんな風景が見られるのは、沖縄県那覇市の外れ、60年という年月を重ねた沖縄の食の台所「農連市場」前に看板を掲げる、フレッシュジュースの専門店「ON OFF YES NO」だ。

アメリカの西海岸を発祥の地とする「コールドプレスジュース」は、素材に熱を加えず(コールド)、強い圧力をかけて(プレス)搾ったジュースのこと。日本でも2014年に初めて東京で専門店がオープンし、話題となった。その同じ年、沖縄へいち早く持ちこんだのがこのお店だ。

「ローカルでありつつも、都会的で洗練されたモノをやりたかった」と語るオーナーの小田切崇(おたぎり・たかし)さんと、奥様の文代(ふみよ)さん。古き沖縄の風景が残るこの場所と、ニューヨークや東京といった大都会で流行した一杯1,000円近くもするこのジュースは、たしかに小田切さんが言う通りの組み合わせ。それは一見、相容れないもののようにも思えるけれど、目の前の市場で何十年も前から並んでいる、古くから沖縄の食文化を支えてきた島の野菜や果物は、コールドプレスジュースやフレッシュジュースに適したものばかり。実は相性抜群の組み合わせなのだ。

「地元のおじぃやおばぁは、暮らしの知恵として、島野菜がどれだけ身体に良いかを知っている。だからふらっと買いにきてくれることも。お客さまには、美意識の高い若い方はもちろん、年配の方も多いですね」と崇さん。観光客や県内在住の外国人など流行に敏感な人々だけではなく、地元のおじぃやおばぁまで男女年齢問わず多くの人が一杯のジュースを求めて、この場所を訪れるそう。幅広い世代に愛される理由は、流行や、見た目のかわらしさだけじゃない。このお店の提供するジュースには、身体がよろこぶ栄養素がたっぷり入っているから。

さて、小田切さんに女性におすすめのジュースをおしえてもらったのでご紹介しよう。ひとつめは、緑の野 菜がたっぷり入った「Deep Green」。免疫力をアップしてくれるこのパワージュースは、一杯で2日分の野菜がとれるそう。使う野菜は日替わりだから毎日違った味が楽しめるのもうれしい。この日はウイキョウ(フェンネル)、セロリ、サクナ(長命草)、フーチバー(ヨモギ)など、沖縄の力強い薬草がたっぷり入っていたけれど、皮ごとすりつぶしたシブイ(冬瓜)が葉物の青臭さを消していて、やさしい口当たり。

続いては、常連さんにもファンが多い「Magenta」。ひときわ目をひく鮮やかな赤紫色はもちろん着色料ではなく、県産のオーガニックビーツから搾った自然の色。“食べる血液”といわれるほど栄養価が高く、鉄分、カルシウムが豊富に含まれているから、貧血になりやすい女性にはおすすめだ。ビーツ独特の土臭さもショウガやニンジンが抑えてくれていて、ビーツ自体の甘みがしっかりと感じられる。

ビーツの赤から一転、白くクリーミーなやさしい色合いの「Ivory」。こちらは、生のアーモンドを12時間浸水させてつくる自家製のアーモンドミルクに、県産の天然塩と黒糖、ローカカオパウダーで独特の甘みを加えたもの。スーパーフードとして世界的に注目されているアーモンドミルクには、美に欠かせない栄養素“ビタミンE”がたっぷり入っているから、美肌やエイジングケアに効果的だという。さらにむくみを解消してくれるカリウムも豊富に含まれているので、女性の強い味方ともいえる一杯だ。

思わず、その色合いに「かわいい〜!」という声が漏れてしまうのは「Okinawa Sun」。トロピカルフルーツの代表格「パッションフルーツ」の赤と、島バナナ・オレンジをブレンドした淡い白がつくりだす二層のうつくしい色合いは、観光客はもちろん、地元の女性にも大人気だという。飲むのがもったいなくなるほど、フォトジェニック。こちらはコールドプレスジュースではなく、飲みごたえもあるスムージータイプ。お腹がほどよく満たされるのもまたうれしい。

「どのジュースもぜひ一日のはじまりの朝に、身体へいれてほしい」とすすめてくれた文代さん。お店は、市場にあわせて朝7時にオープンする。大変だけれど、それが市場で何十年も前から商売をしている先輩たちが当たり前のようにやっている、この場所のワークスタイル。オープン当初はどこか東南アジアのような、雑多な雰囲気を持つこの市場の雰囲気とは違う洗練されたお店の佇まいに、怪訝な顔をするおじぃ、おばぁもいたそうだが、そんなひとびとも3年経った今では家族を連れてジュースを買いに来てくれたり、ちょっとした差し入れ持ってきたりと、この店を受け入れてくれている。

実際、私たちが取材で訪れた日も、何人かがご飯やパン、カステラなどを手にお店へやってきた。それは、小田切さんたちがたまにおすそ分けしているジュースのお礼だったり、「市場のだれそれさんからもらったから」と、誰かの感謝の形が巡り巡ってくることもあったりと理由は様々。でも本当のところ理由はどうでもよくて、それは小田切さん夫婦の顔を見にくるための、ただのきっかけに過ぎないのだ。「今日の調子はどう?」とか「元気?」などといったコミュニケーションから、この場所のコミュニティが育まれているのだ。

「野草がどうしても手に入らないとき、市場の人からお庭で育てている野菜をもらったりすることもあるんです。ここでは助け合いの文化が自然とできているし、市場の先輩たちから学ぶことも多いですね」と文代さん。そういえば、私自身も一日のはじまりによくジュースを買いに行くのだけれど、ジュースと一緒にシークァーサーや、レモングラスなどの“オマケ”をもらったことがある。

「ちょっとしたオマケと一緒に『この野菜は農連市場のお姉さんにもらったんですよ』とか、『コザからきたこのシークァーサーをジュースに使ってるんです』と一言つけ加えるだけで、一杯のジュースにもストーリーが生まれて、少し世界が広がると思うんです。それと単純にお客さまとの会話を楽しむきっかけにもなってます(笑)」と笑う文代さん。それはモノとしてはほんの少しかもしれないけど、そこから生まれる会話と心遣いが嬉しくて、またこのお店に足を運びたくなるのだ。きっと、そういうお客さんとのコミュニケーションのとり方も、ふたりがこの場所で学んだことなんだろう。

「フレッシュジュースは鮮度が大切だから、遠くに持ち運ぶことはできないんです。パッケージできる商品を作れば県外にも発送することはできるようになるけど、僕たちはこの場所でしか体験できないことを提供していきたい」(崇さん)。彼らから手渡されるジュースには、沖縄の自然の恵みだけでなく、この島の文化や人の温かさもギュッと凝縮されている。だからわざわざこの場所に足を運ぼう。「ON OFF YES NO」でしか出会えないフレッシュジュースが、人を美しく輝かせる要素は食材の栄養素だけでなく、人とのあたたかな交わり中にもある、そんなことを気づかせてくれるから。

<問い合わせ>
ON OFF YES NO
住所/沖縄県那覇市樋川2-1-23
電話/098-987-4143

営業時間/7:00 ~ 17:00(売り切れまで)
定休日/月曜日、火曜日(祝日の場合は営業)
URL/https://onoffyesno.jp

編集・写真/セソコマサユキ
沖縄在住の編集者・ライター。雑誌「カメラ日和」「自休自足」副編集長を経て、手紙社で紙媒体の編集、イベントの企画・運営などを手がけたのち、2012年、独立を機に沖縄に移住。さまざまな媒体での編集、ライティング、撮影を通して独自の目線で沖縄の魅力を発信している。観光情報サイト「沖縄CLIP」編集長。著書に『あたらしい沖縄旅行』『あたらしい離島旅行』(WAVE出版刊)、「あたらしい移住のカタチ」(マイナビ出版)、企画・制作に「みんなの沖縄」(主婦の友社)がある。http://masayukisesoko.com
photo by G-KEN

文/新里南 しんざと みなみ
ライター。1986年東京生まれ、沖縄育ち。東京で10年ほどWEB制作のディレクターを経験したのち、2016年5月より故郷・沖縄へUターン。現在、沖縄観光メディアのディレクターをつとめつつ、ライターとしても活動中。多くの人にとっては海を隔てた遠い場所かもしれない沖縄を少しでも身近に感じてもらえるよう、自由な視点でいまの沖縄を発信していきたいと思っている。2016年12月発売の「みんなの沖縄」(主婦の友社)では編集アシスタントを担当。

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