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村上萌さんが北海道でみつけた、美を楽しむために大切なこと。

2017.08.01 Discover Nippon 村田一樹

北海道の一番の魅力、それは本質的に生きられるということ。

メディア型プロデュースチームNEXTWEEKENDの代表として幅広く活躍している村上萌さん。チームの拠点となる本社は東京・表参道。しかし、村上さんの暮らしの拠点となる自宅は北海道・札幌にある。横浜に生まれ、ずっと東京で暮らしてきた村上さん。旅行では何度か訪れたことのある北海道だが、実際に暮らすことでより魅力を感じているとのこと。そんな村上さんに、北海道でみつけた「美を楽しむために大切なこと」について伺った。

今回、村上さんは「札幌のお気に入りの場所」として、カフェ「アトリエモリヒコ」を取材場所に選んでくれた。アトリエモリヒコは、札幌のカフェカルチャーを牽引する代表的存在であるMORIHICOの2号店。明るく開放的な空間に、アンティークの椅子やテーブル、雑貨、本がちりばめられ、コーヒーの香りと共におだやかな時間が流れる。

「朝早くから開いているのが嬉しいですよね。気持ちがいいので、よく仕事を持ってきています。また、デカフェのコーヒーが飲めるのも、妊娠中の身としてとても助かります。北海道では、まだまだデカフェのコーヒーを飲めるお店が少ないんです」

コーヒーロースターとして徹底的なこだわりを持つMORIHICO。コーヒーのクオリティには定評がある。村上さんも、そのコーヒーのファンの一人だ。「コーヒー自体がとても美味しいので、打ち合わせでもよく利用させていただいています。東京からいらしたお客さまもみなさん喜んでくれて」

NEXTWEEKENDの活動として、ウェブサイトと連動した雑誌の表紙やコンテンツでもよく北海道を取り上げているという。さらに、社員旅行を毎年北海道で開催し、社員や友人をバスでアテンドするという村上さんは、北海道在住3年とは思えない豊富な情報量で、さまざまなスポットや魅力を教えてくれる。その中でも、北海道の一番の魅力はやはり「自然」だという。

「まず何よりも自然のスケールが大きくて身近にある。それが、北海道の一番の魅力だと思います。北海道で暮らしてきたなかで思うのは、私自身も自然の一部だということ。
便利な東京に住み続けて、雨の日でも濡れないで過ごすことだって難しくないし、何かができないということをあまり経験することはありませんでした。北海道に住んで、雪の圧倒的な力や、海や山の壮大さを目の当たりにして、雨に濡れても心地よさがあって、私たちがさまざまなものをコントロールしているのではなく、自然の中で生かされているんだなって」

村上さんが語る「北海道の自然」はそれだけでは終わらない。「北海道の人は、自然の美しさだけではなく、自然の厳しさも知っていると思います。だから、自然に対して謙虚になれる。東京で暮らしていたとき、『自然の中に生きている』と感じたことなんてあまりなかった。本質的に生きるには、北海道は本当にいい場所だと思います」

さらに、北海道旅行の楽しみ方を尋ねてみると、毎年北海道で開催している自社の社員旅行のエピソードを明かしてくれた。

「社員旅行では、必ず『自然から自分の手で』というテーマに沿ったアクティビティを盛り込んでいます。すると、これって自分の手で出来るんだ! スーパーで買わなくても採れるんだ! といった気づきを得ることができるんです。北海道ではそれを身近に経験できるのがすごいなって。さらにいうと、『これがどうやって生まれるのかを見てみたい』という、生命の始まりやストーリーを知るにも北海道はオススメですね。たとえば私は、北海道に行くまでアスパラがどうやって土から出てくるのかを知らなかったし、さくらんぼやリンゴの木の下でもお花見ができることを知りませんでした。どの地域にも名産がある北海道では、あらゆる生命の始まりを知ることができます」

キレイに正解はない。それを教えてくれるのは北海道。

現在はNEXTWEEKENDの代表を務める村上さん。「以前はライフスタイルプロデューサーという肩書きでフリーランスとして活動し、様々なプロジェクトのプロデュースをしていました。ですが、そのときの私にとって、お客様は目の前のクライアントでしかなく、その先にいるコンシューマーの声をなかなか聞くことができませんでした」

そこで、より活動の幅を広げつつも、コンシューマーの声が聞ける、つながれる、そういう関係性を求めてチームをつくり法人化。メディアブランドとして、読者と密な関係性をつくりながら成長を続けている。その、ファンである読者との密な関係性は、使い続けているハッシュタグ「#週末野心」が6万件を超える一大コミュニティにまで発展していることが何よりもの証拠だ。

「読者の声が聞けるようになり、誰かの生活に少しでも関わることができているんだと実感できるようになりました。もちろん、NEXTWEEKENDは生活必需品ではないので、無くても生きていける。でも、誰かの1日がちょっとでも素敵になれば、その積み重ねで1年、2年、そしていつか人生が変わるかもしれない。そう思えるのが、この活動をしていて嬉しいことです」

また、NEXTWEEKENDはその名の通り「次の週末」がキーワード。「おてんばな野心を、次の週末に叶える」をコンセプトに、季節の楽しみや小さな工夫を提案しているが、そこには村上さん自身の生き方が深く関係している。

「いつかやりたいなとか、あの人いいなとか、自分の理想を人ごとにしちゃうことって多いと思います。でも、自分ごとにしちゃえば、次の週末にその理想が叶うことって意外と多いと思うんです。それに気づいて欲しいので、なるべく具体的な提案ができるよう意識してコンテンツを作るようにしています」

「自分ゴトにする」という村上さんの考えは、自分自身を知り、認めるという本質的な生き方にも通じている。そして、それは女性として「美」を楽しみ続けるために大切なことでもあるという。村上さんは「キレイに正解はないと思います。なので、誰かと比較して自分を否定したり、なんでこうなんだろうと思わず、いま自分が持っているものを認めて、それを好きになって楽しむ方が絶対にいい」と続ける。それを教えてくれるのが、北海道なのだ。

「たとえば、夏の美瑛と冬のニセコ。簡単には答えられないほど、季節によって回答が変わるのが北海道の魅力のひとつですが、辺り一面がお花畑になる夏の美瑛は、映画の主人公になったような気持ちになれますし、冬のニセコはまるで海外のよう。日本語が通じない地域もあるほどグローバルに街が活気付いています。是非一度、パウダースノーを体感していただきたいです。一面キレイなお花畑と雪景色が広がり、そこにいると少女のような気持ちになれる。北海道は、そういった幼い頃の感覚に帰れる場所だと感じますし、それは何ものにも代えがたい『週末野心』だと思いますね。もし、『自分らしさ』が分からなくなったら、ぜひ北海道を訪れてみてください」

村上萌
メディアブランドNEXTWEEKEND代表。「おてんばな野心を、次の週末に叶える」のコンセプトのもと、季節の楽しみと小さな工夫を提案。ウェブサイトNEXTWEEKENDの運営をはじめ、連動した雑誌NEXTWEEKENDの刊行(年2回)や週末イベント、ECストアの運営、その他空間や商品などのプロデュースを手がける。著書に「カスタマイズ・エブリデイ」(マガジンハウス)、雑誌「NEXTWEEKEND」(世界文化社)、「週末野心手帳」(ディスカヴァー21)などがある。

編集・文・写真/村田一樹 むらた かずき
北海道東川町在住のフリーランスデザイナー。「デザインは問題解決の手段」という考えの元、色や形を作るだけのデザインではない、「自由で美しい暮らし」をデザインしている。また、デザインパートナーやブランドディレクターとして複数の企業やブランドへも参画。「作りっぱなし」にならない継続的なブランディングを行っている。現在は東川町を拠点に、1年の数ヶ月を国内外の暮らしたい土地で暮らしながら、ジャンルを横断したデザイン活動を行っている。
http://kazukimurata.com

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